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ユネスコ エコパーク

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志賀高原ユネスコエコパークにおける
環境教育の可能性




と題した、シンポジウムが志賀高原98会館で開かれました

ユネスコ
と聞くと、まっ先に思い付くのは「世界遺産」です
しかし、ユネスコは世界遺産と同時期に「MAB計画」というものも始めました
世界遺産は皆さんが知っている通り、世界の自然や文化を守る為の取り組みです。
日本でも多数登録されています。

一方で、MABとは何だか知っている方は少ないと思います
MABとは「UNESCO's Man and the Biosphere Programme」の略で
現在は、エコパークと言われています
人間と自然環境とがお互いに共生し生物多様性の中で保全と調和を維持している地域を守り活かす計画のことで、日本では1980年代に「志賀高原」「白山」「大台ケ原&大峰」「屋久島」の4ヶ所認定されました。最近新たに候補地として、宮崎県の「綾」が上がっています。
4ヶ所はいずれも、環境省の国立公園にもなっており、現在まで原生林のままの手つかずの自然を維持することが出来ています。
志賀高原はそのなかでも、特別保護区域外の緩衝地域における観光事業などが盛んに行われてきた場所です。
今回のシンポジウムでは、エコパークについての説明、エコパークの価値、事業利用方法等の講演、環境教育の現状、志賀高原特有の「入会い」についての説明、志賀高原の現状の
4講演が行われました。


会場には、大寒波の初雪のなか、大勢の方々が会場に詰めかけ、用意した席が足りず、立ち見ならぬ座り見の席を用意するほどで、関心の高さが伺えました。高天ヶ原の「やなぎらんの会」メンバーも全員参加しました。


世界ではエコパーク登録に意欲的です、理由は、日本が世界遺産登録で地域活性化を図ろうとしているのと同じですが、エコパークは登録地域での自然を生かした事業展開が可能で、完全保護によりなにも出来なくなる世界遺産より、エコパークブランドを利用した多角的な展開が出来るからだそうです。
日本人に解りやすい事例としては、世界自然遺産のガラパゴスが、登録後、改めてエコパークにも登録しました、理由は緩衝地の観光地化推進と生活を守るためだそうです。

信州大学自然教育園の井田准教授は、志賀高原の自然の歴史に触れつつ、学生への教育方法の現状を報告、そして、高天ヶ原の湿原再生活動と地域おこし活動を大きく紹介してくださいました。

地域の有識者の方からは、志賀高原の成り立ちを江戸時代の「御巣鷹山」であり天領だった頃までさかのぼって説明していただき、志賀高原がどのようにして守られてきたのか、「入り会い地」というあまり馴染みの無い言葉ですが、それが国立公園とエコパークに密接に絡み合い、他の地域とは異なった状況にあるとお話され、MAB委員の方を驚かせていました

色々な制約はありますが、今後志賀高原でエコパークがどのように利用されていくか、楽しみです